
全商検定で合格率が高い検定って何ですか…?
このような悩みにお答えします。
この記事はこんな人におすすめ!
- 全商検定で受かりやすい検定を知りたい!
- 難易度の高い検定に挑戦したい!
- 会計と原計、どちらから受験しようか悩んでいる
- 1つでも多く全商検定1級を取得したい
9種目もある全商検定の中で、どの検定が一番受かりやすく、難しいのか気になりますよね。
今回は、令和5年度(2023年度)のデータを元に「全商検定9種目の合格率ランキング」をご紹介します。



実際に商業高校を卒業した筆者が解説します!
この記事を読むことで、以下の2点がわかります。
- 令和5年度(2023年度)の全商検定難易度ランキング
- 受かりやすい全商検定
全商検定9種目を全て合格した方(9冠)の割合については
こちらの記事で詳しくご紹介していますので是非ご覧ください


【基本】「全商検定」の正式名称と9種目の名前
全商検定の正式名称は「全国商業高等学校協会主催 検定」です。
商業高校に通う高校生向けの試験で、
会計をはじめプログラミング、語学、計算機やタッチタイピングの習得など、
全商検定を通して幅広い知識を学ぶことが出来ます。
全商検定9種目をご紹介



全商9種目は以下の通りです。
- 商業経済検定試験
- 簿記実務検定試験
- 情報処理検定試験(プログラミング部門)
- 情報処理検定試験(ビジネス情報部門)
- 英語検定試験
- ビジネス計算実務検定試験(珠算)
- ビジネス計算実務検定試験(電卓)
- ビジネス文書実務検定試験
- 会計実務検定試験
全商検定は1つの種目に対して1級を取得すると「1冠」と数えることが出来ます。
ビジネス計算実務検定と情報処理検定はそれぞれの科目に分類され、全種目の1級を制覇すると9冠となります。
なお、全商検定には『ビジネスコミュニケーション試験』もありますが、
こちらは1級種目に含まれないものとなるので、ランキングには除いています。
全商検定9種目の合格率ランキング
ここでは、全国商業高等学校協会によって発表された令和5年度のデータを元に、
全商検定9種目の合格率をランキング形式で発表します。



合格率が高い順で発表します!
ランキング作成に関する注意事項
※珠算・電卓実務検定試験
それぞれの合格率に、ビジネス計算部門の合格率を掛け合わせた値となります。
※商業経済検定試験
全科目の合格率の平均値を掲載しています。
科目ごとの合格率も掲載していますので、ご覧ください。
※会計実務検定試験
高度レベルに区分されるの応用試験のため、ランキングには掲載せず最後に別途ご紹介します。
第1位 商業経済検定試験
商業経済検定試験の合格率は約55.6%でした。
※合格率は、科目ごとの合格率を平均して算出した値となります。
科目ごとの合格率は以下の通りです。
科目ごとの合格率(カッコ内は受験者数)
- マーケティング・・・65.1%(30,496名)
- 経済活動と法・・・52.1%(10,006名)
- ビジネス経済A・・・34.7%(12,573名)
- ビジネス経済B・・・52.1%(2,361名)
- ビジネスマネジメント・・・58.8%(4,379名)
合格率が最も高い科目は「マーケティング」の65.1%で、
合格率が最も低い科目が「ビジネス経済A」で34.7%でした。
令和5年度には「ビジネス・マネジメント」という科目が追加されましたが、
こちらはマーケティングに次ぐ高い合格率となりました。
ただし、令和6年度には大幅な科目変更があり、「経済活動と法」と「ビジネス経済A」「ビジネス経済B」が終了となりました。



マーケティングよ…さらば…
新科目として、「商品開発と流通」、「ビジネス法規」が追加され、沢山の受験者が身構えたのではないでしょうか。



新科目の合格率発表が楽しみです
第2位 ビジネス計算実務検定(電卓)
ビジネス計算実務検定(電卓)の合格率は約55.0%でした。
※注意事項としても記載していますが、上記の合格率は電卓部門とビジネス計算部門の合格率をあわせて算出しています。
電卓部門とビジネス計算部門それぞれの合格率は以下の通りです。
- 普通計算部門(電卓)・・・75.0%
- ビジネス計算部門・・・35.0%
普通計算部門(電卓)のみの合格率は70%を超えており、比較的合格しやすい科目となります。
その反面、文章問題が出題されるビジネス計算部門の合格率は約35%と
大幅に下がる結果となりました。
合格率1位の商業経済検定試験とはたったの0.6%の差となるため、ビジネス計算部門のコツさえつかめば
商業経済検定よりも手の届きやすい検定になるのではないでしょうか。
第3位 ビジネス文書実務検定試験
ビジネス文書実務検定の合格率は42.7%でした。
科目ごとの合格率は以下の通りです。
- ビジネス文書部門・・・48.3%
- 速度部門・・・36.9%
通年どおり、速度部門の合格率が30%台とかなり低い傾向があります。
キーボードの入力速度(タッチタイピング)に苦戦する方が多いと考えられるため、
速度部門に躓いている方はとにかく気合でタイピング練習をしましょう。


第4位 簿記実務検定試験
簿記実務検定試験の合格率は41.7%でした。
かなりの学生が苦戦する印象のある簿記ですが、以外にも4位という結果になりました。
部門別の合格率は以下の通りです。
- 会計・・・43.3%
- 原価計算・・・39.6%
令和5年度では2回の簿記実務検定試験が行われましたが、
第96回試験は原価計算の合格率が高く、45%の受験者が合格しましたが
第97回試験では34%の合格率と10%以上減少する形となりました。
第5位 ビジネス計算実務検定(珠算)
ビジネス計算実務検定(電卓)の合格率は約37.6%でした。
※注意事項としても記載していますが、上記の合格率は電卓部門とビジネス計算部門の合格率をあわせて算出しています。
電卓部門とビジネス計算部門それぞれの合格率は以下の通りです。
- 普通計算部門(電卓)・・・40.2%
- ビジネス計算部門・・・35.0%
1年を通しての受験者数が電卓と大幅に異なり、約1,700人程度しかいないため
その年の難易度が大幅に影響していると考えられます。



電卓を受験する方は43,346名に対し、電卓はたったの1,731名でした。
また、電卓部門をすでに取得している学生で、新たに珠算を受験する方もいることが想定されるため
合格率がやや低いことが考えられます。
第6位 情報処理検定試験(プログラミング部門)
情報処理検定試験(プログラミング部門)の合格率は23.5%でした。



ビジネス情報部門よりも合格率が高いの?
と、あい子さんのように疑問に思われる方もいらっしゃると思われますので
先にお伝えすると、ビジネス情報部門との差はたったの0.05%となり、合格率はさほど変わらない結果となりました。
情報処理検定は年に2回開催されますが、それぞれ難易度がかなり違ったようです。
令和5年度に行われた「プログラミング部門」の合格率
- 第69回=17.5%
- 第70回=29.5%
第70回情報処理検定試験(プログラミング部門)が30%近い合格率となりましたが、
一方の第69回試験が20%を下回る形となりました。



2回のうち一方は合格率が高い傾向がありますね…
なお、プログラミング部門の合格者は、1年を通してでも2,534名しかいません。
希少な検定に挑戦したい方や、将来的にSE(プログラマー)になりたい方、
プログラミングに興味がある方は挑戦してみてはいかがでしょうか?
第6位 情報処理検定試験(ビジネス情報部門)
情報処理検定試験(ビジネス情報部門)の合格率は23.45%でした。
上部にも記載していますが、ビジネス情報部門との差はたったの0.05%となります。
令和5年度に行われた「ビジネス情報部門」の合格率
- 第69回(9月)=28.0%
- 第70回(1月)=18.9%
プログラミング部門と同様に、第69回と第70回の試験ではそれぞれ難易度に差があることも考えられますが、
大学受験や就職活動前に取得したいと考える学生が多いことから
秋シーズンの合格率が高くなる傾向にあるかと思われます。
第7位 英語検定試験
英語検定試験の合格率は14.0%でした。
この試験も先程と同様に、2回の試験で難易度が異なっています。
令和5年度に行われた「英語検定試験」の合格率
- 第70回(9月)=18.5%
- 第71回(12月)=9.6%



やはり2回開催のどちらかは10%を切ってきますね
英語検定試験1級のレベルは、実用英語検定の2級相当と考えられています。
また、全商英検の2級のレベルは実用英語検定3級に相当するとされています。
「全商2級でもいいから取りたいな…」と考えている方は
こちらの記事で詳しくご紹介していますので是非ご覧ください。


会計実務検定試験の合格率



「会計実務検定試験」って何でしたっけ。
会計実務検定試験とは、
- 財務諸表分析
- 財務会計
- 管理会計
の3つの科目に分類されます。
簿記実務検定試験の応用とも言える試験であるため、他の全商検定に比べて受験者数が減少します。



会計実務検定の難易度は全て1級相当と言われています
会計実務検定は高度レベルに区分される検定ということもあり、3つの科目のうち1種類でも合格すると
1冠として数えることができますが、2科目合格しても同じ1冠として換算される検定となります。
ここでは会計実務検定試験の合格率を順に掲載します。
(1) 財務諸表分析
令和5年度の財務諸表分析検定試験の合格率は45.9%でした。
受験者数は5,568名で、会計実務検定試験の中では合格率が最も高く、受験者数も共に最も多い科目です。
(2) 財務会計
令和5年度の財務会計検定試験の合格率は24.3%でした。
受験者数は1,417名で、合格者は345名と会計実務検定の中では最も低い結果となりました。
(3) 管理会計
令和5年度の管理会計検定試験の合格率は25.6%でした。
受験者数は令和5年度に開催された検定の中で最も少ない約885名でしたが、
合格率は財務会計より高い結果となりました。
全商検定の受験は計画的に!
商業科はとにかく検定勉強に追われる日々となりますが、
高校生のうちに取得しておくことで社会人になった後にかなり役立つ検定ばかりです。
また、検定は年に2回実施されるものもありますが、「他の検定と期間が被って勉強の時間が無い」など
良く起こりうることとなります。
卒業までになるべく多くの1級を取得したい方はとにかく計画的に検定を取得することをおすすめします!
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